2003年3月期は売上高41億円、事業収支9億円の赤字でしたが、2006年3月期には売上高62億円、事業収支0.3億円の黒字となっています。
2007年3月期の会社側予想によれば、売上高75億円、事業収支2億円の黒字となっています。
小口修繕分野におけるワンストップサービスを実現するためのITソリューションに対する先行投資期間を経て、利益に貢献しはじめようとしています。
■プロフィール 初代戸田利兵衛は1852年、京都の工匠(大工)の四男として誕生。
30歳のときに東京赤坂で「戸田方」として創業、1881年のことでした。
1908年、商号を戸田組と改称。
初代戸田利兵衛には子供がなかったため、1913年、富田繁秋(二代・戸田利兵衛)が戸田家の養嗣子となって、人組。
1920年、初代利兵衛の死去にともない繁秋が二代・戸田利兵衛を襲名、家業を継ぎました。
1936年、株式会社戸田組に組織を変更。
1961年、二代・戸田利兵衛が会長に、戸田順之助か社長に就任。
1963年、株式会社戸田組から戸田建設株式会社に商号を変更。
1987年、戸田順之助か会長に、戸田守二が社長に就任。
島藤建設工業株式会社と合併。
2003年、戸田守二が取締役相談役に、加藤久郎が社長に就任しました。
目事実上ヽ無借金経営のゼネコン 西松建設、前田建設工業と並びバランスシートが強固な準大手ゼネコンの1社です。
2006年3月期の連結経常利益は105億円とゼネコン業界内における経常利益ランキングでは第6位に位置しています。
連結売上高の内訳は建設事業が全体の98%、不動産事業が全体の2%となっています。
連結営業利益の内訳は建設事業が全体の76%、不動産事業が全体の23%となっています。
2006年3月期には建設事業において赤字工事が発生しているため、2005年3月期ベースの営業利益構成比は建設事業が82%、不動産事業が17%となっていて、この数値のほうが実態を掴んでいます。
連結有利子負債に対する株主資本の比率は24%と最大手ゼネコン4社や西松建設、前田建設工業と比べて最も低い水準にあります。
有利子負債を上回る現金預金を抱えており、事実上、無借金の準大手ゼネコンです。
国内建設工事の売上高は4,562億円。
このうち、官庁工事は全体の15%、民間工事は全体の85%となっています。
上木、建築工事別内訳は土木工事が全体の20%、建築工事が全体の80%となっています。
最大手ゼネコン4社や西松建設、前田建設工業に比べると官庁工事比率、土木工事比率が清水建設並みに低いのが特徴です。
また、単独売上高に占める海外売上高の比率は0.3%となっていて、最大手ゼネコン4社や西松建設、前田建設工業と比べて最も小さくなっています。
単独ベースの経常利益に対する連結ベースの経常利益は1.11倍で、連結業績の大半を単独業績で占めています。
過去5期の連結売上高と連結営業利益を累計すると、同社は連結売上高が2.6兆円、連結営業利益が483億円、連結営業利益率は1.9%となっています。
バランスシートが優良な準大手ゼネコンである西松建設の532億円に比べると累計営業利益は少ないですが、前田建設工業の同297億円に比べると1.6倍の水準を確保しています。
連結営業利益率についても西松建設の2.4%に比べると0.5%ポイントほど低くなっています。
この要因の1つは2003年3月期に行政処分を受けたことで業績が低迷したことです。
また、土木工事と建築工事では相対的な利益率が土木工事のほうが遥かに高いことが、同社の累計利益率の低さにもつながっています。
2005年5月時点における同社の中期経営計画の目標数値は2006年度を目標年度として単独経常利益]。50億円以上というものでした。
2006年5月に発表された新・中期経営計画においては2008年度の単独経常利益目標が100億円程度というものになりました。
2006年度の会社側予想による単独経常利益目標は85億円で、1年前に比べて経常利益予想が約半減したのです。
民間建築工事における価格競争の激化に加えて、官公庁工事における価格競争が激化したことが要因とのことです。
新・中期経営計画における基本概念は、選択と集中による事業基盤の再構築および強化を進めると同時に、顧客志向を徹底し、建設ライフサイクル全般における、ソリューション・カンパニーとして独自の強みを発揮していくことで、「利益ある成長」を確保していくというもの。
主要施策としては以下の6点です。
(1)収益体制の再構築、(2)事業提案と品質確保を機軸としたCS(顧客満足)の向上、㈹重点分野への取り組みの深化、困連結経営体制の強化、(5)社員の士気向上、(6)CSRの推進。
同社は清水建設とならび、売上高に占める官庁工事の比率が低いのが特徴。
脱談合にともなう公共工事分野における価格競争が激しさを増していくなかでは相対的に有利な環境にあります。
最大のポイントは建築工事における収益体制を早急に再構築することです。
本書の冒頭で触れましたが日本の上場企業が過去最高益を更新しているなかで、経常利益1,000億円を超える日本の上場企業は約90社あります。
これに対し、ゼネコン業界トップの経常利益水準は約550億円とピークの半分程度の水準です。
また、大成建設、大林組、清水建設、鹿島といった建設業界のトップに君臨する最大手ゼネコン4社の中期経営計画における数値目標は第5章で指摘した通り、概ね横ばいです。
最大手ゼネコン4社の数字が実際、どこに落ちつくかが重要なのではありません。
少なくとも最大手ゼネコン4社が発信する情報と他業界が発信する情報とを比べれば、過去15年において継続した相対的な業績格差が将来にわたって継続されるという印象を株式市場のみならず、社員、顧客、さらにはこれから就職しようという学生に植えつけていると言えるでしょう。
産業としての魅力を取り戻すには他業界に対して低下しつづけている相対的な業績格差を止める努力が必要なのです。
ある大手ハウスメーカーは、日本が中長期的に人口減少時代を迎えるなかで住宅着工はいずれ大幅に減少するという認識のなかで、脱住宅に経営の重点をシフトさせています。
建設業界においても人口減少社会のなかで中長期的にはゼネコンが顧客としている民間企業の設備投資が構造的な減少局面に入ってくるのは疑いがありません。
バランスシートのリストラが終了し、民間建設投資が短期的な回復局面にある今、来るべき建設大不況に向けての施策を全社一丸となって進展させるべきです。
そのために必要なのは高い利益目標を掲げることです。
従来の建築、土木に成長性がないと判断するならば、業態転換を考えるほどの高い利益目標を掲げなければ、これまでの中期経営計画の呪縛からは逃れられないでしょう。
ゼネコンには合併効果がないと言われてきました。
これは1+1が2にならないからです。
合併して2社が1社になると受注機会が減少するというのがこれまでの理屈でした。
「会社の数」が「受注機会の数」とするこの発想そのものが、談合による分配システムと言っても過言ではありません。
大手ゼネコン各社はようやく談合と無縁の経営を行う覚悟を決めました。
ただし、公共事業マーケットが自由競争市場になるには、談合の撲滅だけではなく、官公需法や地域要件といった規制の撤廃も必要になります。
しかし、残念ながら日本においては労働市場確保のために非効率な仕組みを残すことが選択されるでしょう。
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